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【松田浩の超分析】日本代表の守備はなぜ崩壊したのか? あまりにもお粗末な長谷部のコーナーキック対応

サッカー批評本誌で好評だった栃木SC松田浩監督の日本代表守備分析。今回は3戦全敗で敗退したコンフェデの日本戦での分析をお願いした。期間中もJ2は開催されており、松田監督には試合のすべてのシーンではなく、失点シーンを中心に振り返って頂いた。なお、インタビューは試合の映像を見ながら進めた。

text by 鈴木康浩 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

老獪だったピルロ

――イタリア戦は、素晴らしい試合の入り方をして2点を先行しましたが、前半の終了間際に失点を喫しました。

「ほとんどイタリアは攻撃の糸口がない時間帯でした。日本は2対0で調子に乗っていた。それとあの時間帯。前半の最後の終わり方ですね」

 2点を先行されたイタリアに得点の匂いがなかった時間帯。だが、イタリアは何気ない縦パスにバロテッリが猛然と反応すると日本の守備陣に競り勝ち、その流れの中からコーナーキックを得る。

「ピルロは老獪だよね」

 日本の選手たちの準備が整っていないときにピルロがキックモーションに入る。

「選手たちが水を飲んだりしているときに素早くコーナーをリスタートさせた。それで不意を突かれたのか、長谷部は自分のマークが後ろから入ってくるのをわかっていない。気づいたときには前に入られている。もちろん、ここにピンポイントで合わせるピルロもすごいし、合わせたデロッシも信じて走り込んできている」

――代表のコーナーキックの守り方で多いのがニアに壁をつくって、中央はマンツーマンで守るというものです。

「マンツーマンで守るチームに多いスタンダードな守り方ですね。僕はニアの壁に入る選手をブロッキングプレーヤーと呼んでいるんだけど、そこには背の高い選手を置く。日本代表でいえば前田が担当している。ここでガツンと合わせられるとキーパーも届かないので怖いから抑えるんです。それで残りの選手はマンツーマンで守る」

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