フットボールチャンネル

【松田浩の超分析】日本代表の守備はなぜ崩壊したのか? 失点を減らすためにセットプレーはゾーンで守るべし

text by 鈴木康浩

セットプレーにおけるゾーンとマンツー。失点する確率が低いのは?

――この日本の守り方もニアに壁になる選手を置いておいて、というスタンダードなものです。

「当然、日本も嫌なスペースは埋めていますよね。ただし、このとき壁になっているのは本田(4)しかいないので(前田はこの直前の後半20分に交代していた)、その前のスペースは空いているから、こういうブロックプレーで相手がニアでフリーになる可能性はあります。

 だからといって本田がその前のスペースに出て対応しようものなら、本田の後ろを越えられたときに一番おいしいところが空いてしまう。だから本田は動けない。そのための対応として本田の前にもう一人置いているチームもあります。ニアに走り込んでくる相手にマンツーマンで対応するための選手を一人置くわけです。

 だけど、そういう対応をするのだから、どこかで相手の誰かが一人余ることになる。そのフリーになっている相手選手に合わせられてズドンなんてことが理論的にはある。そういうところまで操作されると嫌だなと思うから、僕はマンツーマンを採用しなくなったんです。

 もし自分だったら相手のマンツーマンに対して必ず仕掛けるから。ゾーンのほうが自分たちの弱点をわかった上で、この辺りはいいだろう、と思えるから納得がいく」

――トータルで考えたときに確率論としてゾーンのほうが失点する可能性は低い。

「もちろん、ゾーンでもやられるときもありますよ。ドンピシャのボールを蹴られたときなんかはやられる。でも去年も一昨年もうち(栃木)はセットプレーの失点は少ないですよ。2点くらいですかね」

【了】

関連リンク

サッカー批評 ISSUE59

1 2 3 4 5

KANZENからのお知らせ

scroll top