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【松田浩の超分析】日本代表の守備はなぜ崩壊したのか? 失点を減らすためにセットプレーはゾーンで守るべし

サッカー批評本誌で好評だった栃木SC松田浩監督の日本代表守備分析。今回は3戦全敗で敗退したコンフェデの日本戦での分析をお願いした。期間中もJ2は開催されており、松田監督には試合のすべてのシーンではなく、失点シーンを中心に振り返って頂いた。なお、インタビューは試合の映像を見ながら進めた。

text by 鈴木康浩

展開を左右した疑惑のオフサイド

「岡崎の前半のゴールはオフサイドじゃなかった。あれが入っていればまた展開も変わっていた可能性があります。タイトル(もしくはその次の試合)が懸かっていない試合だから何とも言えないところですが。

 そういう意味でイタリア戦は引き分けてほしかった。予選突破がかかるのか、消化試合なのかでは試合に臨む姿勢が変わるわけだから。相手のメキシコもすでに2連敗だったわけで、ラテンだから先制点を奪われて気持ちも切れたかもしれない」

 メキシコ戦の序盤、日本はイタリア戦で見せたような華麗なボール回しから決定機をつくったが、岡崎のゴールはオフサイド判定。前半の半ば辺りから徐々にペースが落ちると、メキシコに主導権を握られるようになっていた。

――後半の最初の失点シーンはずっとメキシコがボールをつないでいる状態から喫したものでした。

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黒……日本代表
赤……メキシコ代表

【メキシコ戦 後半8分の失点】
クロッサー、中央のポジション取り、いずれにも問題があった

「(日本がメキシコにボールを回され続けるシーンをみながら)この時間帯はがんばりどころで、獲ったボールを大事にしたかった。日本はリズムが良いときにはボールをポゼッションできるけれど、守りに回ったときに、守りの時間をなるべく少なくするためのポゼッションというか、そこの攻守の切り替えのところをもっと大事にしたい」

 その悪い流れのまま迎えた後半8分、メキシコは左サイドからグアルダード(19)が絶妙なクロスを送り込み、中央でエルナンデス(14)が合わせて先制ゴールを決める。

「このクロッサーに対応した酒井(21)は、絶対に体の右側にボールを通させない守備が必要だった。この選手が右利きなのか、左利きなのかは、わかるわけだから」

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