中国サッカーに未来はあるか?(その1)

2013年07月17日(Wed)12時55分配信

text by 宇都宮徹壱 photo Tetsuichi Utsunomiya
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中国サッカーのイメージとは?

 ここで、あらためて考えていただきたい。「中国サッカー」と聞いて、貴方はどんなイメージを浮かべるだろうか。最近のニュースであれば、今季から杭州緑城を率いることとなった元日本代表監督の「岡田武史」、あるいは週給32万ユーロで上海申花に入団した元フランス代表「ニコラ・アネルカ」をまずは思い出すのだろう。

 とはいえ、より一般的な「中国サッカー」のイメージといえば、やはり「ラフプレー」「カンフーキック」そして「(君が代への)ブーイング」といったものではないだろうか。私自身、過去2回の訪中がいずれも日本代表絡みの大会であったため(04年のアジアカップと08年の東アジア選手権)、これらの反日的行為にかなり辟易させられたものである。今回のACLの「中国=ラフプレー」というイメージも、この延長線上にあり、ここ数年はずっと固定化されているのが実情だ。

 このイメージの固定化は、もちろん中国サッカーの問題がかなりの部分を占めているのは間違いない。しかし反面、気になることがある。それは日中サッカー界の交流が、驚くほど少ないことだ。過去20年の間、Jリーグでプレーした中国人選手は、賈秀全(かしゅうぜん・ガンバ大阪)と徐暁飛(じょぎょうひ・コンサドーレ札幌)の2名のみ。逆に中国のトップリーグでプレーした日本人は、巻誠一郎と楽山孝志(共に深せん紅鑽=現2部)の2名のみである。それ以外はずっと、日中のサッカー関係者はすれ違いを続けてきた。

 今さら言うまでもなく、日本と中国は、文化面、政治面、そして経済面で、もはやお互いを無視できない関係になっている。ところがこれがサッカーとなると、日中サッカー界における人事往来は驚くほど少ないのが実情である。

 今回、久々に中国行きを思い立ったのは、何かと景気の良い話ばかりが聞こえる「中国超級」を見てみたいという想いがあった。だがそれ以上に、こうした両国の不思議なすれ違いが何に起因するのか、という素朴な疑問も大きかったのである。

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