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アジア 11年前

中国サッカーに未来はあるか?(その1)

text by 宇都宮徹壱 photo by Tetsuichi Utsunomiya

スーパーリーグは「不動産リーグ」

中国サッカーに未来はあるか?
中国足球協会の副会長を務める林暁華氏【写真:宇都宮徹壱】

 八百長事件は、今も裁判の最中である。中国サッカー協会の林暁華(りんぎょうか)副会長は、イメージの回復とリーグの健全化のためには、徹底した改革が必要であることを強調した。

「サッカー界をもっと浄化して、イメージの回復に努めなければならない。まず、司法という手段を導入し、協会内の人事異動を大胆に行うことで、八百長や不公正なジャッジをなくすよう努力している。そして、監督や選手、スタッフ、レフェリーを競技に集中させ、それ以外のことを考えないような環境作りを進めているところだ」

 余談ながら中国では、サッカー協会会長は名誉職であり、実権を握っているのは、4~5人からなる副会長だ。現在47歳の林の序列は2番目。温厚な笑顔から、時おり切れ者の表情が垣間見える。「まだ道半ば」としながらも、すでに若きナンバー2は手応えを感じている。自信の源となっているのが、昨今のスーパーリーグの活況だ。

「この2年で、サッカーを巡る環境は好転しつつある。今年になって(スーパークラブに所属する)16クラブに32億元の投資があった。これは中国企業が、中国サッカーに対しての信頼が戻っていることの現れだと思っている。国際社会の視線も変わった。ワールドクラスの監督や選手も、どんどん中国に来るようになったし、観客もスタジアムに戻ってきてくれた。この一連の現象が起こったのは、八百長事件をきちんと清算した結果だと考える」

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