中国サッカーに未来はあるか?(その1)

2013年07月17日(Wed)12時55分配信

text by 宇都宮徹壱 photo Tetsuichi Utsunomiya
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パトロン型のクラブ経営

 確かに国内リーグの活況は、八百長事件によって泥にまみれた中国サッカー界のイメージを払拭させているかのように見える。しかしその実態は、ゆめゆめ健全であるとは言い難い。前出の朱は、Jリーグと比較しながら、流暢な日本語でこう説明してくれた。

「Jリーグでは、各クラブの身の丈経営が当たり前になっています。ところがこっちでは、オーナーによるパトロン型の経営が当たり前になっていますね。現在のマンチェスター・シティとかパリ・サンジェルマンとかチェルシーみたいな感じです。オーナーのほとんどは不動産企業の経営者なので、今のスーパーリーグは『不動産リーグ』と呼ばれていますよ」

 朱によれば、デベロッパー企業のオーナーが、サッカークラブに投資するようになった背景には、経済的な側面と政治的な側面があるという。

「経済的な側面については、それほど難しい話でなくて、単純にチームが勝てばそれだけ企業名の宣伝になります。こっちのクラブはたいてい『本拠地+企業名』となっていますから。ただ政治的な側面については、ちょっと説明が必要ですね。中国では今、バブル抑制のために、不動産企業が政府から締め付けられる傾向にあります。それが、サッカークラブを持つことで『地元のためにやっている』という言い訳が立つわけです。それともうひとつ、次の中国の指導者となる習近平(しゅうきんぺい)は無類のサッカー好きとして有名です。今のうちから、彼にアピールしたいという思惑もあると思いますね」

(文中敬称略)

【その2に続く】

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サッカー批評issue56

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