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日本代表 11年前

今野、吉田を超えられるか? 森重真人が語る東アジア杯の収穫

text by 元川悦子 photo by Kenzaburo Matsuoka

「できたんじゃないかなっていう手ごたえはある」

 後半になってからの韓国はハイボールを多用し、よりフィジカル面の優位性を前面に押し出してきた。ヘディングの競り合いは日本人DFにとって課題の1つだが、この日の森重は決して負けなかった。

「もともとヘディングは苦手ではないんで、そんなに不安はなかった。競り合いも勝つことが全てじゃないんで、そこで負けたとしても、周りのカバーが重要になる。自分が勝てれば一番いいですけど、次のことも考えながら今日は冷静にできたと思います」

 結果的に日本は前半のユン・イルロクのミドルシュートの1点のみに抑え、柿谷の2発で勝ちきった。

 困難な状況で2点をマークした柿谷、3試合続けて中盤を献身的に支え大会MVPに輝いたボランチ・山口蛍も賞賛に値するだろうが、この日韓戦に限って言えば、森重もMVP級の働きをしたといっていい。

「全体的な印象では、できたんじゃないかなっていう手ごたえはある。この先どうなるかっていうのは分かんないし、あとは待つしかないけど、これに満足せずチームに戻ってやるべきことをやりたいです」と本人も欧州組が集まる次の代表招集に意欲を示した。

 ユース、五輪代表時代をともに過ごした香川真司らが欧州の大舞台にのぼりつめていくのを見ながら、数カ月前の森重は「彼らの背中が見えなくなった」と苦笑していた。が、再び仲間との距離を近づけ、DF陣の競争に名乗りを上げたのは間違いない。森重の巻き返しはここからが本番だ。

【了】

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