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日本代表 11年前

「最高の選手たちと一緒にやるのは楽しみ」。成長を続ける柿谷曜一朗が語る代表への思い

text by 小田尚史 photo by Asuka Kudo / Football Channel

かつての恩師が語る柿谷の過去と今

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柿谷曜一朗【写真:工藤明日香】

“個人の前のチームがある”。この教えは、期限付き移籍した徳島時代に美濃部直彦監督からさんざん叩き込まれた文句だ。「お前のためにチームがあるんやない!チームのために何ができるか考えろ」。

 子どもっぽさが抜け切れなかった移籍直後の柿谷へ、美濃部監督はそう語り続けた。東アジア杯初戦の中国戦当日。まさに柿谷がA代表デビューを果たしたその日、美濃部監督が率いる長野パルセイロ対MIOびわこ滋賀の試合を取材した。5対1で長野が勝利した試合後、美濃部監督を訪ねた。

 JFLの長野を指揮することに決めた理由を聞くと共に、柿谷のA代表入りについてのコメントを求めると、「元々彼はそういうポテンシャルを持っていましたから。でも、その能力を考えると、やっとスタンダードに来た、という段階。これからもっと成功するように祈っているし、もし何かあれば、また“注射”を打ちに行きますよ(笑)」と話してくれた。恩師の見つめる眼差しは、どこまでも温かい。

 柿谷の囲み取材に話を戻すと、他に印象的だったのは、「ザッケローニさんのサッカーを学びたい。どんなプレーが好まれて、どんなプレーが嫌われるのか、という部分は知りたい」という貪欲な姿勢。

 そして、「この大会で代表に選ばれた選手が新たな刺激を与えることが、これから日本代表がさらに強くなっていくために必要なこと」と言い切ったことだ。

【次ページ】重圧に向き合う姿勢
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