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連載コラム 11年前

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第4回 波乱続きのリーグ開幕戦

4月14日 On the pitch 第2節 アルマレッザ飯能戦(ホーム)

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【写真:©VONDS市原】

 この日も風の強い日だった。

 精力的にスカウティング活動ができていたのでどのチームの情報も集められていた中で、唯一情報がないのがアルマレッザだった。せめてフォーメーションだけでもわかれば多少対策を立てることができる。3バックか、4バックか、前から来るか、引いてくるか、そのあたりの情報を自分は大切にしているが、全く未知のチームだった。

 この試合も先制点を奪う。開始15分で3人の選手が上手に絡みキレイなゴール。その後も何度も決定的チャンスがあるが、追加点をとることができない展開が続いた。

 関東リーグでは蹴ってくるチームと、つないでくるチーム、個人技を活かしてくるチームなどに分かれるが、アルマレッザは関東リーグでは珍しく、後方からしっかりつないでくるチームであった。

 獲りどころをしっかり決められないまま何度か危ないシーンがあった。また明らかに調子の悪い選手がいたことなどがあり、ハーフタイムでの指示、また選手起用は重要になってくることがわかった。

 監督になってみて難しいことのひとつが交代の決断。特にハーフタイムでの交代は自分が現役時代もそうだったが、選手からするとショックなもので、もう少し引っ張ってみようかなと思うもの。ただプレシーズンではそれをやって、いい結果を得られなかったので、心を鬼にして一人の選手は交代をすることにした。

 これは監督によって違うが、自分は交代の理由を必ず、試合後もしくは後日選手に自分から話すようにしていた。評価の基準、見ているポイントが選手と監督とでズレていることによって、信頼関係が崩れ、選手の不満やモチベーションの低下につながる。それを極力防ぎたいと自分は考えるタイプでとにかく徹底して対話路線を心がけている。

 ハーフタイムには前半の現象を選手に伝え、守備時には獲りに行く高さの修正をすることにした。

 後半は終始安定した戦いをすることができ、初めて出る選手も固くなりながらもいいプレーをしてくれた。最後は上手なカウンターから追加点を奪い、後半は安心してみることができた。

 何はともあれ、開幕2連勝でいいスタートを切ることができた。

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