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アジア 11年前

入るまでが大変!? 日本人関係者が語るタイの厳しいサッカー事情

text by 長沢正博 photo by Masahiro Ngasawa

監督の構想ありき…ではない

 チームへのチャンネルも様々だ。今季、タイのディビジョン1・サラブリーFCに加入した村山祐介選手は、実は一度チームに断られている。だが、たまたま内田氏の知り合いがチームのスポンサーとつながりがあり、そこから話を通すと無事契約にこぎつけることが出来た。

「日本なら監督の構想ありきかもしれませんが、タイは違う。でも入ってしまえば、こっちのもの」

 良いエージェントほど、良い選手しか抱えない。また、チームの誰に働きかければいいかを心得ている。「(選手が)サッカーとは違う部分で負けていることがある」と内田氏は話す。

 選手の海外移籍に必要な国際移籍証明書(ITC)でもトラブルが起こる。ITCは移籍先(タイ)のチームからサッカー協会を通じて日本側に発行を依頼し、所属元のチームが協会を通して発行、タイ側で受理して完了となるが、なぜかタイの方で手続きが滞ることが多いという。

「ITCが期限内に降りなくてプレーできなかった選手は、私が知っているだけで3人はいます」

 タイで評価を得やすい外国人選手について聞くと「背が高くて、体格がいい選手は評価される。背が高くなくても、走って、個人技で打開できる。自分で得点を決められる選手の評価は高い」。やはり外国人選手は助っ人。求められる役割はJリーグとも重なる部分がある。
 
 待遇はアマチュアも混じったディビジョン2で月給1万~10万バーツ(1バーツ=約3円)、ディビジョン1なら同5万~30万バーツほどで、昇格を目指すチームほどお金をかけるという。

「タイプレミアリーグなら外国人選手は月15万から20万バーツもらえれば御の字では」と内田氏は語る。

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