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アジア 11年前

入るまでが大変!? 日本人関係者が語るタイの厳しいサッカー事情

text by 長沢正博 photo by Masahiro Ngasawa

引導を渡してあげるのも役割の一つ

 これまでに内田氏は40人弱の挑戦を手伝い、その中から先述した村山選手をはじめ、カスタムズユナイテッドの久保木優、カセサート・ユニバーシティFCの中川勇人、ランプーンウォーリアーFCの石川令、タイ・ホンダFCの此村大毅、アムナーチャルーン・タウン(いずれもディビジョン2)の小嵐元喜が契約することが出来た。

一方で、内田氏は「引導を渡してあげるのも役割の一つ」と語る。

タイには“ここでダメだったら…”と、いわばサッカー選手として最後の賭けで来る場合が多い。内田氏は、ある選手の言葉が印象に残っているという。

「その選手は契約に至らなかったけど、“ありがとう。内田さんがいなかったら、次のステップに進めなかった”と言ってくれた。あきらめさせてあげることも大切な役割だと思います」

 ちなみに内田氏は 、選手やチームから報酬を得ていない。今後もエージェント業務に乗り出すつもりはない。

「選手になってもらいたいという思いでやっている。エージェントではないからこそ、出来ることもある」

 彼が考えているのは、彼自身のビジネスと選手のセカンドキャリアを結びつけること。

「僕がやっているITとサッカーをつなげて、ビジネス展開していきたい。タイだからこそ、できることがあると思うんです」

 本格的な選手サポートをはじめたのは昨年末から。挑戦はまだ始まったばかりだ。

【了】

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