フットボールチャンネル

連載コラム 11年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。ザガロが背負ったセレソン監督という重圧

激しい批判を受けていたマリオ・ザガロ

20130908_zagaro2
マリオ・ザガロ監督【写真:田崎健太】

 コパ・アメリカはブラジルではワールドカップとは比べるとかなり注目は低い。欧州各国の欧州選手権(ユーロ)に対する扱いとは違う。それでも無様な負けをすれば批判される。

 97年のワールドカップはボリビアで開催されていた。当時、ぼくはブラジルに滞在しており、テレビでコパ・アメリカを見ていた。

 この時のブラジル代表は激しい批判を受けていた。

 直近の大会、94年アメリカ大会でブラジルは70年大会以来の優勝を成し遂げていた。優勝直後から、批判的な声は少なくなかった。ロマーリオとベベットという決定力のあるフォワードを前線に置いて、他の選手は守備に注力するというサッカーはブラジルの美学に反するというのだ。

 批判の矢面に立っていたのは、監督のマリオ・ザガロだった。94年大会では監督のパレイラを支えるテクニカル・ディレクターを務め、大会後に監督となった。

 コパ・アメリカに参加したブラジル代表は、キーパーのタファレル、ディフェンスのアウダイール、マウロ・シルバ、中盤のドゥンガ、レオナルド、そしてロマーリオ――FCバルセロナにいたロナウドが加わっていたものの、94年の戦術を引き継いでいた。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top