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Jリーグ 11年前

チェアマン不在・ファン猛反対の中、発表された2ステージ制移行。Jリーグに今後求められることとは?

text by 植田路生 photo by Asuka Kudo / Football Channel

解決していない多くの疑問点

 記者会見ではこれまでメディアへの取材で発言してきたように、Jリーグへの関心が落ちていることが再度説明された。「新規のファンを増やしていかなければならない」と。同時に「2ステージ制」への反対の横断幕を掲げるファンについても触れ、「あのような真剣に考えてくれるコアなファンももっと増やしたい」と述べた。

 であれば、なおさら既存のファンと向き合わなければならない。Jリーグが確固たる地位を築いてこられたのも、熱心にスタジアムに足を運んだサポーターが存在したからだ。サポーターは苦楽を共にした一種の共同体とも言える。包み隠さず、すべてを明らかにしてもいいのではないだろうか。

「選手育成のための資金」「審判の質を向上させるための費用」など未来への原資が減っていることは各メディアを通して発言してきた。だが、それでも反対の声は減らなかった。まだそれでは納得していないということだ。

「2ステージ制」によって、どれくらい収入が得られるのか、ポストシーズンではどれくらいの視聴率が見込めるのか、正確な数字を示していく必要がある。また、試合数の増加によりACLはさらに厳しい戦いを強いられ、そこに2つのカップ戦を加えると日程はぎゅうぎゅう詰め。まったく余裕がなくなる。水曜日開催が増えることも考えられ、そうなると観客動員数は落ち込み、収入減は必至だ。

 Jリーグは懸命に説明していくと述べた。1つひとつの疑問点をあやふやにすることなく解答してくれることを期待したい。

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