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マンU不振の要因は前監督時代からの課題にあり。モイーズ監督の資質より問われるべき悲惨な守備陣

マンチェスター・ユナイテッドが序盤戦で出遅れている。苦戦の要因は一体どこにあるのか? そして未だ影響力があると言われているファーガソン前監督の復帰はあるのか?

text by 山中忍 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

現地では「実力不足」と騒がれてはいない

 プレミアリーグ連覇を狙うチームの指揮を任されたはずが、リーグ戦7試合で既に3敗。情け容赦のないプレミアの常識を当てはめれば、開幕から2カ月で新監督の首が危ぶまれても不思議ではない。だが、マンチェスター・ユナイテッドのデイビッド・モイーズは例外のようだ。

 もちろん、イングランドのメディアでも、モイーズに伸し掛かるプレッシャーが、週を追う毎に増してきた事実は指摘されている。ユナイテッド指揮官としての責務の重さを「改めて思い知らされたはず」と言われている。

ファーガソン
前監督ファーガソンの復帰に関するコメントも、半ば興味本位に報じられた【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 10月頭には、「その意志はない」という発言ではあったが、前監督のサー・アレックス・ファーガソンが米国メディア向けに語った監督復帰に関するコメントも、半ば興味本位に報じられた。

 しかしながら、いきなり、モイーズの実力不足が騒がれているわけでもなければ、ファーガソン復帰を求める声が高まっているわけでもない。

 この、プレミアでは「寛容」と言える周囲の反応は、ひとえに3勝3敗1引分けという開幕7試合が、エバートンから引き抜かれたモイーズのみならず、新監督が受け継いだチーム自体に、時間が必要であることを示したからに違いない。

 加えて、開幕3カ月目に立て直しを計る上では、「エバートン前監督」の持ち味が物を言うことになりそうなのだ。古巣では堅守前提で結果を残したモイーズによる、守備の改善である。

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