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代表 11年前

後任監督はピクシー? W杯予選敗退、世代交代の失敗。目標なき日本戦に挑むセルビア代表

text by 長束恭行 photo by Yasuyuki Nagatsuka

ストイコヴィッチが後任監督になる可能性

セルビア
アレクサンドル・ミトロヴィッチ【写真:長束恭行】

 セルビア代表は既にブラジル行きが絶たれてしまったが、今夏にU-19欧州選手権で優勝するなどセルビア・サッカー界にも明るい兆しが見えている。U-19代表を牽引したFWアレクサンドル・ミトロヴィッチ(アンデルレヒト)は、セルビアが長く待ち望んだ「ファッキン」な大型センターフォワードだ。

 俊足WGラザール・マルコヴィッチ(ベンフィカ)との19歳コンビは、先月のクロアチア戦でも特別な存在感を放っていた。欧州でも五本の指に入るボランチのマティッチは、クロアチア戦を前にミハイロヴィッチと和解し、イエロー二枚で退場する75分まで中盤の要として君臨。

 ベンフィカには先の二人に加えてFWミラレム・スレイマニ、MFフィリップ・ジュリチッチ、MFリュボミール・フェイサといった主力が集中することで、彼らの連携は日増しに高まってきている。

 三番手を嫌ったCBネヴェン・スボティッチ(ボルシア・ドルトムント)は一時的な代表引退を決め込んだものの、守備陣にはアレクサンダル・コラロフ(マンチェスター・シティ)、マティヤ・ナスタシッチ(同)、ブラスニラフ・イヴァノヴィッチ(チェルシー)、ネナド・トモヴィッチ(フィオレンティーナ)、ミラン・ビシェヴァッツ(リヨン)といった一流プレイヤーが揃う。

 現在のFIFAランク43位は伝統国に見合わず、旧ユーゴ諸国の中でもクロアチア(10位)、ボスニア・ヘルツェゴビナ(18位)、モンテネグロ(27位)、スロベニア(29位)に遅れを取ってしまっているが、これからのセルビアの復権は既に約束されたもの。

 もちろん、それも後任監督の手腕次第だ。筆者は今年8月、代表ディレクターのサヴォ・ミロシェヴィッチに“ストイコヴィッチ新監督”の可能性を尋ね、このような回答を得ている。

「ピクシーもミハイロヴィッチも私と一緒にプレーした友人だけにそのテーマは避けたいが、現監督のミハイロヴィッチに私は最大限の信頼を寄せている。ピクシーに関していえば、近い将来の代表監督候補であるのは間違いない。当時のセルビア最高のプレイヤーだっただけに、彼が代表監督になる時代は訪れるだろう」

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