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日本代表 11年前

最も難しい方法で漫然と攻撃していたザックジャパン。解決されない香川・不調時の「穴」

ベラルーシに敗れた日本。アウェイとはいえ、明らかに攻めのリズムがなく、内容的に乏しい試合だった。ある程度ボールはキープできるが、そこから相手を崩せない。ザックジャパンの攻撃が停滞した要因はどこにあるのか?

text by 西部謙司 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

悪いところしかなかったベラルーシ戦

 セルビア戦では「良いところも悪いところもあった」敗戦だったが、ベラルーシ戦は「悪いところしかなかった」としか言えない負け方だった。

 セルビア戦では相手が引いたこともあって、日本はボールを支配して攻め込むことはできた。その中で、欧州中堅国に守備を固められるとなかなか打開できないという現実に直面した。

 ところが、ベラルーシはディフェンスラインを上げて中盤を圧縮して守っていた。日本はなかなか思うように前方へボールを進められず、リズムをつかめない時間帯が続いた。

 中盤にスペースがないということは、当然ディフェンスラインの裏にはスペースがある。ベラルーシのような相手には、まずラインを下げさせることが先決だったと思う。

 対角線上のロングボールを使う(例えば今野から岡崎へ)、後方で執拗にキープしてプレッシャーがかからないようにする(ラインコントロールが不調になって裏を狙える)、あるいはベラルーシがしていたようにトップに競り落とさせてセカンドボールを拾う…方法は1つではない。

 しかし、日本は狭いスペースへパスをつないで前進をはかるという最も難しい方法を選択していた。選択したというより、ただ漫然と攻撃していたのではないか。

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