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香川真司 10年前

マンU勝利、フル出場、高いパス成功率も。香川真司がまだ本調子ではない理由

text by 内藤秀明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ユナイテッドには三人の不調の選手がいた

 さて、勝利はしたものの、今季不調のストークを相手にここまで試合が難しくなってしまった理由として、ユナイテッドに不調の選手が多かったのが挙げられるだろう。

 一人目はナニ。

 体のキレを見る限り、コンディションはほぼトップレベルだ。しかし、どうやらストーク戦は「悪い日」に当たってしまったようで、状況判断は悪くミスが続いた。

「良い日」でも、ナニは状況判断の悪さをみせることは多々ある。それでも、決定的な仕事をしてそれらのミスを全て帳消しにするのだが、この日は1点目のきっかけとなった高精度のクロスだけでは帳消しにできない程のミスを繰り返してしまった。

 ナニは今年で27歳。お世辞にも若手とは言えない年齢だ。そろそろ、パフォーマンスの波が激しい悪癖は治さなければならない。

 二人目はクレバリー。

 攻撃面で良いリズムを作り出せなかったばかりか、パスミスや軽い守備で、ピンチを招きもした。実際1失点目のシーンでは、ポジショニング、体の使い方共に悪かったために簡単に突破を許してしまった。

 クレバリーという選手をカテゴライズするなら万能型のセントラルMFだ。攻撃も守備もある程度こなすが、どちらに特化しているわけでもない。英国人のMFはこのタイプに該当することが多く、例えばポール・スコールズも、スティーブン・ジェラードも、フランク・ランパードも万能型に該当するだろう。

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