ショートパスを貫いたU-17日本代表。スタイルの是非より問うべき本当の完成度

圧倒的なポゼッションを維持しながらもスウェーデンに敗れた“96ジャパン”。ショートパスのスタイルを貫き、完成度は高かったチームだが、あと一歩足りなかったこととは何か? 現地取材を続けた記者が分析する。

2013年10月30日(Wed)13時21分配信

text by 河治良幸
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スペースを徹底して消したスウェーデン

 流動的なパスサッカーでU-17W杯のグループリーグを3連勝し、ファンの期待を集めた“96ジャパン”だったが、欧州の強豪スウェーデンに2-1で敗れ、ベスト16で大会から去ることとなった。前半に速攻から2点を奪われ、オンゴールで1点を返すも結局、スウェーデンの堅守を崩すことはできなかった。

「相手には守り切れるスピリットがあった」と吉武監督もスウェーデンの規則的で粘り強い守備に感心したが、「あれはスウェーデンのスタンダートだと思っている」と語り、日本に対して特殊な戦術を用いたわけではないことを強調した。それでは日本がこうした相手からより多くの得点を奪い、勝利することができたのだろか。

 スウェーデンは[4-4-1-1]のシステムを取りながら、コンパクトな陣形を維持し、ボールの前に8人のブロックを築きながら、日本がボールを前に運ぶとセカントトップのアンディションがボランチの間に入り[4-5-1]に。ペナルティエリアの手前では1トップのベリシャもMFに吸収される形の[4-6]となり、日本にとって前方の侵入スペースを徹底して消してきた。

 結果的に日本は75%というポゼッションを記録したが、「相手の守っていない場所を見ることができなかった」と吉武監督が振り返る様に、プレッシャーのせいかブロックを崩す動きも少なく、やや強引なタイミングで走り込む味方に縦パスが出ても、センターバックにカットされてしまった。

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