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香川真司 10年前

完全復調、そしてモイーズ監督好みのプレーも随所に。今季最高のパフォーマンスを見せた香川真司

text by 内藤秀明 photo by Asuka Kudo / Football Channel

モイーズ好みのプレーとは何か?

 例えば19分、左サイドでルーニーから横パスを受けた香川はドリブルでじりじりとペナルティボックス内に侵入し、ミドルシュートを放った。シュートはキーパーの正面だったが悪くないプレーだった。

 また38分には、エブラの縦パスを左サイドで受けた香川は「縦に」ドリブルを仕掛け、強引にグランダーのクロスを送り込む。そのクロスはギリギリのところでチチャリートに合わなかったが、惜しいプレーだった。

 19分のミドルシュートや、38分の縦にドリブルに仕掛けてのクロスといった、ゴールに直結するシンプルなプレーこそモイーズ監督が好むものだ。モイーズ監督は香川のこれらのプレーを見て、評価を上方修正したとみて間違いない。

 また、50分には「モイーズが好むプレー」に香川自身の創造性を活かし決定機を演出した。右サイドでボールを受けたバレンシアはドリブルで前に運びながらクロスを送る。そのクロスはファーで待ち受けた香川の下へ。

 ボックスの中で、綺麗に左足でトラップした香川は、右足で細かく触りながらまたもや「縦に」仕掛ける。そして左足でのキックモーションに入ることで、ソシエダDFカルロス・マルティネスの足を開かせて、股下を通してチチャリートへ流し込むだけのプレゼントパスを送った。

 結果的に、チチャリートがふかしてしまい、得点にはならなかったが、1点に値する素晴らしいプレーだった。

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