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香川真司 10年前

及第点のプレーもレギュラーへ近づいた香川真司。パス本数の少なさが示す今後の課題とは?

アーセナル戦で先発した香川真司。大きなインパクトは残せなかったが、悪くはない。及第点のプレーと言っていいだろう。気になるのはパス本数の少なさだ。活躍したCLソシエダ戦とは明らかに違う。この違いをどう読み解くべきなのか?

text by 内藤秀明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

守備に重きを置いていたマンU

及第点のプレーもレギュラーへ近づいた香川真司。パス本数の少なさが示す今後の課題とは?
数字をみればアーセナルが試合を支配していたのは明らかだが…

 マンチェスター・ユナイテッドにおける日本代表MF香川真司の序列は限りなくレギュラーに近づきつつある。首位アーセナルとの大一番で先発に抜擢された事実がそれを物語る。

 プレミアリーグ第11節マンチェスター・ユナイテッド対アーセナルの一戦は、ホームのユナイテッドがロビン・ファンペルシーの得点もあり、1-0で勝利を収めた。香川は78分までプレーした。先発出場は素晴らしいが、その香川のパフォーマンスを一言で評価するならば「悪くはない」程度のものだった。

 大きなミスはなかったが、大きなインパクトもなかったというのが妥当だろう。手放しで称賛はできない。とはいえ、そもそも試合の流れがアーセナルに傾いていたので、ボールを持っている時にこそ輝く香川にとっては少し難しい試合展開だった。

 ポゼッションはアーセナル60%、ユナイテッド40%。チーム内での合計パス成功本数はアーセナルが438本でユナイテッド261本。この数字をみればアーセナルが試合を支配していたのは明らかで、ユナイテッドはリアクションサッカーを強いられていた。

 ただし、付け加えなければならないのは、ユナイテッドも組織的な守備網を構築して対抗した結果、アーセナルは36分までシュートを打つことが出来なかった。これは、ユナイテッドの守備がよかったということと同時に、守備に重きを置いていたというのを意味する。

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