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香川真司 10年前

及第点のプレーもレギュラーへ近づいた香川真司。パス本数の少なさが示す今後の課題とは?

text by 内藤秀明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ネガティブなイメージは残っていない。今後の課題は?

及第点のプレーもレギュラーへ近づいた香川真司。パス本数の少なさが示す今後の課題とは?
香川はモイーズ監督の中で以前より評価上がっている【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 ただし、78分の間に香川のよいプレーもあった。

 40分には、左サイドの高い位置でサニャを相手に積極的にドリブルを仕掛けてコーナーを獲得したシーンがあった。また交代直前の75分には、右サイドよりの高い位置でトム・クレバリーからボール受けた香川は、フェルマーレンの股を抜くパスでペナルティボックスに侵入。

 結局得点には繋がらなかったが、香川らしい創造性に溢れたプレーも披露した。今後は自分に不向きな劣勢な試合で、効果的なプレーを増やすのが課題となる。

 香川の自身の調子はあがっているし、最初にも述べたようにアーセナル戦での先発という事実は、モイーズ監督の中で以前より評価上がっている確実な証拠。チームが勝ったというのもあり、そこまで香川にネガティブなイメージはモイーズ監督に残っていないだろうし、今後もチャンスをもらえる可能性は高い。

 これから香川は日本代表合流し、土曜日(16日)にはオランダ代表と、火曜日(19日)にはベルギー代表と対戦する。この強豪との2試合で強度の高い試合を経験し、適応し、劣勢でもチャンスを多くつくることができるようになれば、香川はまた一つ上のレベルの選手になることができる。

 そしてその成長をクラブに還元することが出来るかどうか。シーズンが終わる頃に現在5位まで順位を上げたユナイテッドが、トロフィーを再び掲げるためには、香川のレベルアップが不可欠だ。

【了】

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