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日本代表 10年前

11月遠征好成績も満足していない代表キャプテン・長谷部「ブラジルやウルグアイの方が強さを感じた」

オランダ戦、ベルギー戦と結果を出したザックジャパン。チームの調子は上向いたがキャプテンの長谷部誠に浮ついた様子はない。反省すべきところは反省し、チームのさらなる成長を考えている。

text by 元川悦子 photo by Kaz Photography

「チームの中で目に見えて競争が増えてきている」

 ザックジャパンの11月2連戦では、岡田ジャパン時代の2008年から「鉄板ボランチ」といわれてきた長谷部誠・遠藤保仁の一角に新たな風穴が空いた。2012年ロンドン五輪代表で7月の東アジアカップMVPに輝いた山口螢が16日のオランダ戦と19日のベルギー戦と連続でスタメン出場したからだ。

 長谷部はオランダ戦の前半とベルギー戦の前後半に出場。前者は山口螢、後者は山口と遠藤とそれぞれボランチを形成した。彼が遠藤以外の選手とこれほど長い時間、コンビを組むのはザックジャパン発足後、はじめてのことだ。

「今回、監督がどういう意図で選手の入れ替えをしたのかは分からないけど、とにかくチームの中で目に見えて競争が増えてきている。チームを作るうえで、競争は絶対に必要。実際、出た選手はみんな結果を出しているし、すごくポジティブだったと思う。

 螢は目立ったプレーというより、気の利いたプレー、要所要所で利くプレーをしてくれた。よかったと思います」と長谷部自身、新コンビにも手ごたえをつかんだようだ。

 こうした状況の変化が起きる中、長谷部自身も重要なゴールに複数絡むことができた。まずオランダ戦では前半終了間際、吉田麻也のパスカットからボールを受け、鋭い反転からドリブルで持ち上がり、左から切れ込んできた大迫勇也の貴重な同点弾をアシストした。

「前半最後の時間のない中で1点返せたのが、後半につながった。そういう形の得点になったと思います。選手全員が裏への意識やサイドの幅を意識していたし、守備の部分でもすごく連動していた。

 選手が全員同じ方向を向く、全員が同じマインドでプレーすることができたから、得点も生まれたと思う。正直、原点に返ったって感じですけどね」と彼は前向きに語る。

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