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バイエルン、天王山で3得点 ドルトムントに会心の勝利

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ゲッツェが古巣相手に決勝点
ゲッツェが古巣相手に決勝点【写真:goal.com】

23日に行われたブンデスリーガ第13節、ボルシア・ドルトムント対バイエルン・ミュンヘンの一戦は、3-0でアウェーのバイエルンが勝利を収めた。天王山で快勝したバイエルンは、ドルトムントとの勝ち点差を7とし、前節塗り替えた無敗記録も38試合に更新している。

近年のドイツの覇権を争い、昨季はチャンピオンズリーグの決勝でも実現したこのカードは、今や世界中が注目する一戦だ。ドルトムント広報部によれば、チケットの問い合わせは50万件以上。さらに、北朝鮮とパキスタンを除くFIFA加盟国209カ国中207の国々でテレビ中継された。これは、ブンデスリーガ過去最高の数字となる。

グアルディオラ監督も「ドイツのクラシコ」と形容する大一番だが、残念だったのは、両チームに負傷者が多かったことだ。特にドルトムントは、ピシュチェク、シュメルツァー、スボティッチ、フンメルスと最終ラインのレギュラーがそろって不在。一方のバイエルンも、チームの心臓であるシュバインシュタイガー、代表戦で消耗したリベリが欠場した。また、初の古巣との対戦で注目を集めたゲッツェも、ベンチスタートとなった。

スーパーカップで完成度の違いを見せ、見事なカウンターから3冠王者を沈めたドルトムント。この日も、開始わずか3分でそのカウンターが炸裂する。ブワシュチコフスキの左クロスがエリア内にいたレヴァンドフスキへと渡った。だが、これはシュートミスとなり、オフサイドの旗も上がった。

急造の守備ラインという不安を抱えるドルトムントだが、チームの武器であるゲーゲンプレスと鋭いカウンターは健在。バイエルンにボールこそ支配されるものの、チャンスはそれほどつくらせず、逆に少ない手数でシュートまでもっていく。29分にもロイスが決定機を迎えたが、左足の強烈なシュートはGKノイアーに正面ではじき返された。

一方のバイエルンは、35分にラフィーニャの右クロスからマンジュキッチがボレー、さらにスローインからミュラーがダイレクトボレーで狙うが、いずれもGKヴァイデンフェラーに阻まれる。37分には、ロングパスに抜け出したロッベンがペナルティーエリア左から中央に折り返し、マンジュキッチが合わせようとするが、この絶好機もわずかにタイミングが合わず、ゴール右へと流れてしまう。

前半終了間際にはマンジュキッチとグロスクロイツが一触即発のムードになり、双方にイエローカードが提示されるなど、白熱した一戦はスコアレスのまま前半を終了する。

後半、最初のチャンスはドルトムント。51分、右サイドのベンダーが入れた柔らかいクロスにレヴァンドフスキが飛び込む。だが、これもわずかに左へと外れた。

拮抗した状況で先に動いたのはバイエルン。56分、マンジュキッチに代えてゲッツェを投入。場内からはブーイングと口笛が鳴り響く。さらに64分、ボアテングに代わってチアゴを投入。ハビ・マルティネスが最終ラインに下がり、立て続けの選手交代で変化をつけていく。

すると、この采配が的中する。66分、チアゴも絡んだパス交換から、ラームのパスを右サイドで受けたミュラーが低いクロス。これをエリア内中央のゲッツェが足下で止めると、DFに囲まれながらも右足アウトサイドでゴール左隅へと沈め、バイエルンが待望の先制点を手にする。ゲッツェ自身は古巣からのゴールに喜びを表さず、代わりにチームメートが駆け寄って喜びを爆発させた。

しかし、ドルトムントもすかさず反撃。70分、カウンターから右サイドを突破したグロスクロイツのクロスを、ゴール前のムヒタリャンがトラップしてシュート。しかし、この決定機はゴール左へとわずかに外れる。72分にはレヴァンドフスキのヒールパスをゴール前で受けたロイスが左足で合わせるが、ノイアーのファインセーブに阻まれる。

71分にオーバメヤンとホフマンを投入し、さらに攻勢を強めようとしたドルトムントに対し、グアルディオラ監督は79分にラフィーニャを下げてファン・ブイテンを投入。ラームが本職のサイドバックに下がり、J・マルティネスも中盤に戻って、より守備の安定を図る。

攻撃の人数を増やして前掛かりになったドルトムントを相手に、バイエルンは攻撃をしのぎながら巧みにその裏を突いていく。そして85分、カウンターから自陣右サイドでボールを受けたチアゴが逆サイドに展開し、完全にフリーとなっていたロッベンが独走。飛び出したヴァイデンフェラーをよく見てループシュートを沈め、決定的な追加点を挙げる。

さらに、88分には右サイドでロッベンとスイッチしたラームがペナルティーエリア右から折り返し、フリーのミュラーが落ち着いて流し込んで3点目。立て続けの得点で勝負を決め、ドルトムントの戦意をそいだ。

Goal.com

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