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香川真司 10年前

CLレバークーゼン戦で5得点のマンUを牽引。なぜ香川はトップ下起用で輝けたのか?

text by 内藤秀明 photo by Ryota Harada

攻守共にランニングをサボらなかった香川

CLレバークーゼン戦で5得点のマンUを牽引。なぜ香川はトップ下起用で輝けたのか?
香川は、両チーム最高の12.48キロの走行距離を記録【写真:原田亮太】

 そして、香川の課題であるカウンター時に関する守から攻の切り替えに関して、改善が見られたのも素晴らしかった。ここ最近の香川は、いざカウンターというシーンで、足下でボールをもらおうとしすぎて、長距離のランニングを怠り、チャンスの芽を潰してしまう癖があった。

 しかし、ドイツの地で絶好調時の自分を思い出したのか、ボールを引き出す動きや、味方がフリーになるためのランニングを継続。結果、切れ味鋭いカウンターを何度も目の当たりにすることができた。

 また守備の場面でも、前線からプレスをサボらなかった。攻守共に走り続けた香川は、両チーム最高の12.48キロの走行距離を記録(UEFA公式)。ハードワーカーにもなれることを証明した。今後も攻守共にこれだけ走る意識を忘れなければ、モイーズ監督は香川を起用し続けるだろう。

 得点もアシストもなかった香川だが、抜群の活躍をしたことはモイーズ監督がSky Sportsに語った「Shinji was terrific(シンジは非常によかった)」とうコメントからも伺える。

 ユナイテッドの快勝に大きな貢献をしたのは香川であり、世界中のマンチェスター・ユナイテッドファンを十分に満足させるパフォーマンスを披露したことは間違いない。そして、トップ下で出場することこそが、自身が最も輝き、チームを機能させることが出来ると証明したのだ。

【了】

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