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長友佑都 10年前

インテル生命線のアウトサイドは未だ不安定。マッツァーリ監督が渇望する長友の完全復帰

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

長友抜きでもまずまず機能するも、持ったのは60分まで

 本人やマッツァーリ監督もそれは十分理解していたのか、ポジショニングは守備重視で、ハーフウェーラインを超えてポジションを取るのは数える程しかなかった。その一方でバランスを取るために、左インサイドMFのアルバレスをサイドに貼り付かせる。

 前半はそこそこ機能し、サネッティが後ろを閉め、アルバレスがウイング気味に開いて縦を破る関係性は機能していた。

 だが、持ったのは60分まで。アルバレスが先にバテてしまい、結果このエリアは間延びすることになった。そうなると中途半端な5バック状態となり、相手に中盤を使われる危険な状態になる。結局サンプ戦は、相手にペースを握られた末に1点を守りきれず、ドローで決着した。

 パルマ戦でも似たような図式、いや、このサイドには俊足のビアビアニーをぶつけられただけにことは余計に厄介だった。サネッティは守備に専念せざるを得なくなり、アルバレスのフォローにも限界があった。結局それは、パルマの右SBカッサーニにフリーでクロスを許し、3失点目を招く結果となった。

 さて長友は、後半25分からサネッティに代わって左WBに入る。頻繁にサイドや前線のスペースへ飛び出し、ロスタイムにはミドルパスをダイレクトで落としカンビアッソの決定的なシュートも演出するのだが、その一方でカバーリングもおろそかにはしていなかった。

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