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ルーニー依存、不安定な守備陣…。大いなる不安を抱えたまま“死の組”に挑むイングランド代表

text by 山中忍 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

先発はランパードではなくウィルシャーか

ルーニー依存、不安定な守備陣…。大いなる不安を抱えたまま“死の組”に挑むイングランド代表
キャプテンのジェラードは不可欠【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 ホジソンが、口約通りに将来への下地をも意識して本大会に臨むのであれば、ピッチ中央の1枠はジャック・ウィルシャーの物だ。アーセナルで磨かれた21歳には、35歳のフランク・ランパードと比べ、リズミカルなパス&ムーブと、いざとなればドリブルでスピードのあるビルドアップを可能にする利点もある。

 同じ30代でも、キャプテンのジェラードは不可欠。マイケル・キャリックは、純粋なボランチがいないMF陣の中では最も守備的で、チーム最高のパス精度でポゼッション向上にも役立つと考えれば、ランパードにはW杯メンバー漏れもあり得る。

 同様に、年齢差は4歳だが、やはり30代のアシュリー・コールが、年下でも攻撃力で上手のレイトン・ベインズに、左SBの定位置を譲ることも予想される。大一番での集中力はコールに分があるが、ベインズの左足は、クロスはもちろん、FKからのデリバリーやシュートでも相手ゴールを脅かす。

 ホジソンは、残る半年間で最終ライン中央にも「衛兵交代」の可能性浮上を願いたいところだろう。かつて、世界最高のCBコンビとも言われたリオ・ファーディナンドとジョン・テリーは、もはや代表では引退者。

 一方、新世代の後継者となるべき、クリス・スモーリングとフィル・ジョーンズは、SBもこなせる利便性が仇となり、マンチェスター・ユナイテッドで共にCBとしての出場機会が限られている。

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