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ルーニー依存、不安定な守備陣…。大いなる不安を抱えたまま“死の組”に挑むイングランド代表

text by 山中忍 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

ルーニー依存からは脱却出来ず

 もっとも、指揮官が最も願うのはルーニーの無事だろう。28歳のイングランドの「至宝」は、予選でも6試合7得点のチーム得点王。当人は、選手としてのピーク年齢で乗り込むブラジル大会で、過去2大会無得点の汚名返上も期している。

 定位置のトップ下では、ユナイテッドでの今季前半も高レベルなパフォーマンスを披露し続けているが、本大会までに、CF起用が現実味を帯びれば更に面白い。代表1トップは人材不足であり、CFは現在のルーニーが「出来ればこだわりたい」と言うポジションでもある。

 そのためには、代表トップ下に、10年前のルーニーに匹敵する「超新星」の出現が必要だ。今季のエバートンで台頭したロス・バークリーには、それだけの潜在能力があり、予選中に代表デビューも済ませている。

 しかしながら、プレミアでもレギュラー1年生の19歳にとって、ブラジル大会は、少なくとも1年は早すぎる開幕となるだろう。「10番」を背負うルーニーは、チャンスメイカー兼フィニッシャーとしての期待も背負う。世代交代とスタイル変更に取り組み始めたイングランドだが、ルーニー頼みの現実はまだまだ変わっていないのである。


担当記者による分析
目標:ベスト8
ノルマ:ベスト16

【了】

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