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Jリーグ 10年前

わかりやすいJリーグになるために――。提案したい「抽選カンファレンス制」

text by 川端暁彦 photo by Kenzaburo Matsuoka

提案したい「抽選カンファレンス制」

「じゃあ、お前も案を出せよ」という意見は至極ごもっとも。今回はポストシーズンに関する私案を示させていただければと思う。冷静な批判や対案も歓迎したい。実はこの案自体、サッカーファンの会合にて提示してみたら、いろいろなアイディアが出てきて修正したものである。全部が丸く収まる案などあるはずもないのだが、だからといって議論が無益というわけではないのだ。

 今回、提示させてもらうのは、カンファレンス制の変則版である。通常、カンファレンス制は地域を分割してリーグ戦を行い、その王者なり上位チームなりが集まって決勝トーナメント(あるいはチャンピオンシップ)を戦うという形式が一般的。

 米国のスポーツでは広く行われており、日本サッカー界では地域リーグ決勝大会、全日本大学サッカー選手権、高円宮杯U-18サッカーリーグなどで似たような形が実現している。

 Jリーグがやるなら「東西カンファレンス制」だという声が一般的だった。Jリーグを東西にぶった切ってリーグ戦を行い、東西王者が最後に激突する形。分かりやすいが、これはデメリットが多い。

 Jリーグならではのレギュラーシーズンにおけるダイナミズムが損なわれるということが一番大きいが、ご存知のようにJリーグは東側が強いリーグである。シーズンにもよるが、おおよそ神奈川県くらいが境になりがちで、観客動員などを考えてもここで区切るのはマイナスが大きい。

 無理矢理、東側のチームをJ2に落とすような策は理解を得られないだろうし、メリットが薄いのだ。地域カンファレンス制をやるとしたら、それは将来的にJ3で考えるべきことではないかと思う。

 そこで提案するのが「抽選カンファレンス制」である。

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