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Jリーグ 10年前

わかりやすいJリーグになるために――。提案したい「抽選カンファレンス制」

text by 川端暁彦 photo by Kenzaburo Matsuoka

改めて問いたいポストシーズン制のメリット

 このチャンピオンシップは3回戦制を想定している。ホーム&アウェイ方式は一見さには分かりにくく、しかも第2戦ホーム開催のチームが有利という不公平感も否めない。ホーム&アウェイでまず2試合を行い、それぞれをPK戦まで行う完全決着制とする。

 ポストシーズン制のメリットは、分かりやすさとエンターテインメント性だ。そこに引き分けによるモヤモヤ感は要らないし(リーグ戦で味わえばいい)、J1昇格プレーオフも引き分け決着でリーグ戦上位が勝ち抜くという“分かりにくさ”は、いかんともし難いものがあった。引き分けはナシのほうがいい。

 そして、1勝1敗となった場合、第3戦を最終決戦として中立地で開催。もちろん完全決着制だ。地上波で露出して、広く一般に共感性を得ようと思うなら、「0-0で引き分けの場合は広島の勝ちですが、もしも横浜FMがアウェイゴールを奪えば横浜FMの勝ちとなりまして~」といった説明が要らない形にしておくべきだろう。

 スーパーステージ制の問題点は、制度としての分かりにくさと、チャンピオンがチャンピオンになれないモヤモヤ感にある。抽選カンファレンス制はそのモヤモヤ感を解消しつつ、分かりやすく、しかも露出を増やす方向になり、さらに「過剰なJ2降格のリスク」が減ることは意外に大きな効用をリーグにもたらすようにも思う。

 もちろん異論、反論は多々あるだろう。かなりぶっ飛んだ案だという自覚もある。ただこれは、みんなのJリーグの問題なのだ。より良い形はないものかという議論がもっとあっていいはずだ。

 極端な話を言えば、「とりあえず5年」が動かないのであれば、「では、6年目はどうするの?」という議論でもいい。このリーグを愛するみんなが、智恵を出し合う流れが生まれてほしいと、強く思う。

【了】

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