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日本代表 10年前

松井大輔が回想するザックジャパン。「ザックさんは攻撃のことはそんなに指示はしなかった」

text by 元川悦子 photo by Kenzaburo Matsuoka

ほろ苦かったザックジャパンでの初戦

 迎えたソウルワールドカップ競技場でのライバル対決。「久しぶりにチソン(朴智星)との対戦になると思ったけど、ケガで出られなくて残念」と松井は試合前に残念そうに語っていたが、ピッチに立てば親友への思いは一切かなぐり捨てる。

 それが勝負にこだわる男の真髄だ。松井は2列目の右サイドに入り、1トップの前田遼一、トップ下の本田圭佑、左サイドの香川真司らと連携を取りながら、攻撃を組み立てようと試みた。

 両者ともにお互いを消しあうような展開の中、松井にも見せ場は何回かあった。最たるものが後半32分の惜しいチャンスだ。長谷部誠から前線をフリーで走る松井に絶好のスルーパスが出た。

 だが名手のトラップが流れてシュートコースがなくなり、松井はやむなくクロスを選択。それがペナルティエリア内のDFの手に当たったが、ハンドは取ってもらえない。結局、シュートゼロのまま、直後に金崎夢生(現在ポルトガル2部、ボルティモネンセ所属)との交代を強いられる。松井のザックジャパン初戦はほろ苦いものになった。

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