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W杯で目指すは名誉ある敗退? 圧倒的に期待値が低い豪州代表の実情

過去、何度も日本と激闘を繰り広げてきたオーストラリア。W杯でも日本を下したこともあるが、今回は前評判がすこぶる低い。世代交代しきれず、監督も就任したばかり。おまけに主力選手に問題も起きている。現地記者が現状を分析した。

text by 植松久隆 photo by Hisataka Uematsu

グループ突破に悲観的な現地メディア

 オーストラリアにとって4回目のW杯となるブラジル大会。スペイン、オランダ、チリと同じ組に入った抽選結果を受けて「グループ突破はかなり厳しい」「過去最悪の組み合わせ」というのが、大方の当地メディアや世論の反応だった。

 組合せ抽選から1週間が過ぎた14日、有力紙シドニー・モーニング・ヘラルドがあらためてオーストラリアの入ったグループBのレビューを載せたが、その内容は世論をほぼ完全に代弁している。

 要約すると、「サッカルーズ(筆者注:代表チームの愛称)がグループ突破の望みを叶えるには、初戦(チリ戦)の勝利が不可欠。オランダには負け過ぎない。最後のスペイン戦、すでにスペインが予選通過を決めていれば、ターンオーバーの控え組相手で多少はチャンスが上がる…」というもので、「グループ突破」をかなり高めの目標と位置づけている。

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就任したばかりのポスタコグルー監督【写真:植松久隆】

 10月のオジェック解任を受けてのアンジ・ポスタコグルー監督の就任は、概ね、世論の歓迎を持って迎えられた。元々、国内監督の選出の待望論があり、その最右翼と目されてきた存在だけに、就任後、わずか1試合しか消化していない中で支持率の下がりようもなく、今のところは国内世論との“蜜月状態”は続いている。

 そのポスタコグルーの就任初戦となった11月19日の親善試合・コスタリカ戦。試合に臨んだメンバーは、これまでのオジェック体制を支えたベテランを要所に配置するも、これまでチャンスを与えられなかった若手・中堅も積極的に起用するバランスを意識した布陣となった。

 内容的には万全とは言えないものの、まずは1-0という勝利で、新チームのスタートを切れたことは素直に評価したい。

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