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無名だがロンドン五輪ではベスト8。ホンジュラスがW杯で目指す歴史的1勝

text by 池田敏明

世界に衝撃を与えた五輪世代

 迎えた最終ラウンドは、初戦でアメリカに逆転勝利を飾るという最高の滑り出しを見せたものの、パナマ、コスタリカに連敗するなど波に乗り切れない状態が続く。しかし第7節、アステカ・スタジアムでのメキシコ戦で2-1という歴史的勝利を飾って流れを引き寄せると、第9節のコスタリカ戦で勝利し、最終節を待たずにW杯出場権を獲得した。

 2011年3月に就任したルイス・フェルナンド・スアレス監督は、2006年ドイツW杯でエクアドルを16強に導いた名将で、組織的な堅守速攻スタイルの確立には定評がある。12年にはロンドン五輪でU-23ホンジュラス代表を率いてスペインに勝利、ブラジルに善戦して世界に衝撃を与え、ホンジュラス国内での評価も一気に高まった。

 今大会に向け、ホンジュラスはダビド・スアソやフリオ・セサル・デ・レオンといったベテランが退き、世代交代を断行しなければならなかった。スアレス監督はルイス・ガリードやマリオ・マルティネスといった若手を抜擢しつつ、全員がハードワークをこなす組織的なチームを作り上げることに成功した。

 イングランドで活躍するウィルソン・パラシオスが司令塔として広角にパスをさばき、両SBが果敢に攻め上がって分厚いサイド攻撃を見せる。予選ではベントソンが9ゴール、コストリーが7ゴールを決めており、前線の破壊力も抜群。世界的名手こそいないが、名将の下に団結した選手たちが強豪国を相手に下剋上を目指す。


担当記者による分析
目標:ベスト16
ノルマ:W杯初勝利

【了】

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