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中1日、元日での試合も当たり前。なぜプレミアリーグは12月末に過密日程になるのか?

text by 山中忍 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

過密日程を歓迎するモウリーニョ

 今季のクリスマス首位はリバプールだった。リーグ優勝から遠ざかって久しい“スカウサー(リバプール市民)”には、宿敵マンチェスター・ユナイテッドのファンから、「スカウサーに救いの手を。クリスマスが来たと知らせてやろう!」と、やり込められた過去がある。

 ポイントに飢えて優勝争いに絡めない窮状を、80年代にヒットした飢餓救済チャリティー・ソングの替歌で茶化されたのだ。リーグの頂点から、同日には8位だったユナイテッドを見下ろすクリスマスの喜びは格別だっただろう。

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ジョゼ・モウリーニョ監督【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 リバプールのファンは、ボクシング・デーから中2日、300km近く離れたロンドンでのチェルシー戦にも、3000人規模でやって来た。

 エースのルイス・スアレスが絡んだゴールでリバプールが先制し、「連戦歓迎」と言っていたアザールのゴールを機にチェルシーが逆転した上位対決は、最寄り駅を通る地下鉄が不通でも41000人の満員御礼となったスタンフォード・ブリッジを、90分間熱狂させた。

 ハイテンポな攻め合いといい、両軍2名ずつの故障者を出した激しさといい、この時期のイングランドならではの熱戦だった。勝利監督は、すっかりイングランド好きのジョゼ・モウリーニョ。

 6年ぶりのチェルシーで年末年始に働くポルトガル人指揮官は、元日のアウェイゲームを前に笑顔で言った。「ホテルでの大晦日を楽しもうじゃないか!」と。

【了】

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