高校サッカー心を揺さぶる物語。3年間、選手と共に戦った女子マネージャーは監督の娘

第92回全国高校サッカー選手権大会が12月30日開幕となりました。全国で本当にあった青春ストーリーを集めた『高校サッカー心を揺さぶる11の物語』(カンゼン、安藤隆人監修)から、女子マネージャーの奮闘を描く「監督の娘は、女子マネージャー」を一部にはなりますがご紹介します。

2014年01月12日(Sun)22時06分配信

text by 安藤隆人
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お父さんの応援に。そこにいたお姉さん

 毎年、正月になると、東京へ家族旅行に出かけていた。家族旅行なのに、行きも帰りもお父さんはいない。そりゃそうだよね、お父さんは名門高校サッカー部の監督。

 行先は東京で開催されている全国高校サッカー選手権大会。お父さんが指揮を執る高校は毎年のように出場していて、幼いころから家族で応援に行くことが恒例となっていた。
 
 私が小学生になると、土日は決まってお父さんのチームの練習や試合を観に行っていた。

 必死でサッカーボールを追いかけるお兄さんたちの脇で、負けじと一生懸命働くお姉さんたちの姿があった。

「何をしているんだろう?」。私は幼心に思っていた。

「さっちゃん、私たちはね、選手のみんながサッカーに打ち込めるようにがんばっているんだよ」。お姉さんは、私にそう言ってくれた。

「私もやってみたい!」

 その日から私もお姉さんたちの手伝いをし始めた。ボトルに水を入れたり、ボールを片付けたり……。それが楽しくて、楽しくて仕方がなかった。

「さっちゃん、ありがとう」

 お兄さんたちが、お姉さんたちが、笑顔で言ってくれる。私はその笑顔が見たくて、夢中になって手伝っていた。 

 そして、家では見せないような、厳しくも真剣なお父さんの姿があった。試合に勝つと喜び、試合に負けると悔しがる。私はお父さんのことがますます好きになった。いつしか、私の夢はお父さんの高校サッカー部のマネージャーになることになっていた。

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