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アジア 10年前

なぜカンボジアでプロに? 日本人選手第1号・太田敬人が考える“サッカーと人生”

text by 長沢正博 photo by Masahiro Nagasawa

運営面でも変化を迎えているカンボジアサッカー

 カンボジアのサッカーの特徴については、「サッカーは良く言えばシンプル。日本みたいに戦術を徹底するという考えは低い。ボールをもらってから、次に何をするかというサッカーです。でもカンボジア代表に選ばれる選手であれば、ワンタッチでパスをつなげられたり、遠くまで見える選手がいます」と話す。

 今回、強豪同士の練習試合を見学したが、私も大体似た印象を持った。「南国特有バネの強さみたいのは持っているので、技術の使い方、戦術の部分で少しもったいない」と太田は語る。

 1チームの外国人登録は5人まで。1試合に最大3人まで登録、出場できる。ナイジェリア人が多く、アジア枠はまだない。今季は12チームによるリーグ戦が1月から7月まで行われる予定だ。

 カンボジアリーグでは昨年初めて1部の入れ替え戦を実施。今季はリーグ戦でも、これまでのプノンペン一カ所開催からホーム&アウェイ制の導入を計画するなど、運営面を改善しようとしている。

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プノンペンではフットサルコートが増加【写真:長沢正博】

 また、首都プノンペンでは今、いたるところにフットサルコートができている。それも、いわゆるロングパイルの人工芝が敷き詰められた立派なもの。クラブによっては練習場としているところもある。

「(昨季まで所属した)ポリスは人工芝で練習をしていました。でも試合はでこぼこの天然芝なので、練習は気持ちよいのに、試合は気持ちよくない」と太田は苦笑する。

 東南アジア各国のチームを集めて2015年スタート予定のアセアンスーパーリーグ構想も浮上しており、東南アジアのサッカーをめぐる熱気は今後も高まりそうだ。

「カンボジアも1位、2位が出られるようなので、それに入りたい。もちろん、今シーズンの目標は優勝です。ポリスでは個人として結果を残せなかったので、そこにもこだわって、二桁の点を取りたい」

 第一人者として、カンボジアのサッカーシーンをまだまだ盛り上げてくれそうだ。

【了】

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