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「チャンスをつかまなくては」。主力の負傷、憧れの舞台で誓った吉田麻也の強い決意

シリーズ:フットボール母国の神髄 text by 森昌利 photo by Getty Images , Kazhito Yamada / Kaz Photography

「チャンスをつかむ」。吉田の決意

 イングランドの厳しい一部リーグに上がって2季目だというのに、知将ポチェティーノ監督の手腕もあり、欧州も見えてきたサウサンプトン。最近では中国の不動産王買収の噂もあり、さらなる飛躍が期待される。

 確かにこれから、ロブレンの代役を果たし、昨季以上の存在感を見せなくてはならないという試練もあるが、麻也もそんな上昇気流に乗ったクラブでの充実感を楽しむ余裕はある。

「まあ、もうひとりのオーナー(噂される中国人新オーナー)もすごい金持ちらしいんで(笑)。将来は4強入り? それはどうなるか僕は分からないですけど。それはそれで楽しいですね」

 ロブレンの怪我という事態に関しては、「人の怪我を喜ぶのは良くないですけど…」とチームメイトを気づかったが、「このチャンスをつかまくてはいけないと。皆さんも思ってる通り、僕自身も十分分かってるんで」と、きっぱりと話して活躍を誓った。

 子供の頃から憧れ続けたプレミアの舞台。そこで味わった半年間の試合に対する渇望。昨年11月6日に行われたリーグ杯戦で敗れた時には、サウサンプトン初ゴールを記録したにも関わらず、年内の試合がなくなったことを心底嘆いた。

 あれからさらに2ヵ月半、控え選手に与えられる、フィジカル中心のきつい練習メニューに耐えた。

 そしてようやく今、日本人離れした体躯とスキルを持つ日本代表DFがその全貌をむき出しにする時がやってきた。

 極限の弱肉強食のリーグで上昇するサウサンプトンとともに、吉田麻也という大器がいよいよ開花することを心から期待したい。

【了】

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