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長友佑都 10年前

ダービーで失点招いた軽率で“キザ”なプレー。長友に求められるキャプテンとしての責任感

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

軽率だったヒールの使用

 CKからの守備で、エリア手前でポジションを取っていた長友はルーズボールに反応する。近くにマーカーがいたが、ここで彼はヒールを使いボールをフワリと浮かせた。

 そのまま裏を取り、ダッシュしてカウンターに繋げたいというイメージがあったのだろうが、そのボールが流れてビダルに渡った。結局そのボールロストから、キエッリーニがゴール。反撃への希望を絶たれたインテルは、その後10分足らずでもう一点を失った。

 試合後、マッツァーリ監督は個人名は出さず、チーム全体の責任とする形で「2失点目の我々は“レッツィオージ”だった」と言った。『キザ、小洒落た』という意味の言葉だが、失点のリスク回避を最優先とするべき場面のプレーとしてはあまりに軽々しかったということだ。

 今シーズンの長友は、プレッシャーの掛かる場面でも正確にプレー出来るようになった。だからこそこの場面では自信を持ってチャレンジに行ったのだろうが、相手ゴール前ならいざ知らず、自陣でロストを招くプレーは自殺行為である。インテルのキャプテンマークを巻かされたのなら、自らの手でチームを苦境に陥れるプレーはなおのことして欲しくなかった。

 5試合連続で勝ちに見放されたインテル。「この1年は成長のための年。ただ、勝利一つで流れが変わるはず」とマッツァーリ監督は言う。長友においては、次こそは責任感溢れるプレーで、勝利に貢献して欲しいものである。

【了】

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