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本田圭佑 10年前

本田圭佑が子供たちに伝えたいこと(その2)

text by 森哲也 photo by editorial staff

本田を超える本田監修のサッカースクールを目指して

――さきほどから聞いていると、まるでアップルのスティーブ・ジョブズ(故人)のようだと感じました。理想が高くて、ディテールにとことんこだわって、スタッフへの要求もめちゃめちゃ厳しい。

「禿げちゃうんじゃないかって思うことありますけど(笑)。いまのは冗談ですけど、本人が妥協しないから、僕たちも甘えられない。

 背中で示すというのはそういうことだと思います。その生き様、結果を出す姿勢、壁を乗り越えていく姿は、言葉じゃないところで周りの人を納得させる。あの背中には憧れますよね」

――背中で語る男、かっこ良すぎですね。

「例えは悪いですけど、バンジーってロープなくても飛べるんだぜって言ってるようなもんですよ。いやいや死ぬでしょ、みたいな。いやいや死なないんだって、みたいな」

――何だかよくわからないですけど、すごくブッ飛んだ感じはします。

「でも、彼が辿ってきた道はバンジーをロープなしで飛ぶより難しいことだと思うんです」

――確かにガンバでユースに上がれなくて、オランダでも二部落ちして。そこから覚醒して日本代表の中心選手になった。CLでゴールも決めた。

「本人にしたら想像してなかったと思うんです。レアルの10番って本当に明確なことを想像してる人間がオランダの二部リーグに落ちる。

 でもそこから這い上がってきた。一般的な常識ではそれは無理だろうと思うことでも、俺はここに行くんだっていう信念は絶対にブレずに、一歩一歩確実に進んでいく」

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