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本田圭佑 10年前

本田圭佑が子供たちに伝えたいこと(その2)

text by 森哲也 photo by editorial staff

男が惚れる男、本田圭佑

――正直、本田選手ほどのビッグネームならそういうやり方でも充分人は集まると思います。

「でもそれって、形だけやってることになりかねない。もちろん、そういうやり方も否定はしないですけど、本田がやってることは、本田自らが縁の下の力持ちをやってるってことなんです」

――それを現役のまだこれからの選手がやっているのはすごいですね。有名選手だと引退したあともそういう名前だけでスクールをやっている人はいますよね。

「以前、怪我をしていたとき、電話で『圭佑、大丈夫?』って聞いたら、いや俺は大丈夫だからお前は自分の心配しろって怒られたんです。だから、もう聞かないと思って(笑)。でも考えたら本当にそうなんですよ。僕が本田のことを心配すること自体がおこがましくて」

――なぜですか?

「オランダ時代に二部落ちした時の本田を知っているからです。あのとき二部に落ちた選手がその後日本代表になって、ここまでになるとは普通はなかなか想像できないはずなんです。

 でも彼の絶対に昇っていくという姿勢を目の当たりにして確信しました。何も心配する必要がないと。本田は絶対上にいくと。あいつみたいな選手が上にいけなかったら、夢も希望もないと思っていました」

――もうその辺は榎森さんの仕事をしっかりやってくれっていう本田選手のメッセージというか。本当に男が惚れる男ですね。

「それは間違いないです。男が男に惚れ込むって、一生のうち何回もないと思うんですよ。だから今、一緒に仕事ができてるってことは、すごく幸せなことなんじゃないかなと思います。まぁこんなこと言うと、何言ってんねん、と怒られそうですけど(笑)」

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