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ブンデス日本人選手、第20節現地採点を振り返る。得点王ラモスを支える献身性、細貝に納得の高評価

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

プレーの質は前節とさほど変わらないが…

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ヘルタで「水を運び」続ける細貝【写真:原田亮太】

 ヘルタの相手に対するプレスの掛け方で、少し特殊なパターンがある。まずワンボランチの細貝が2列目の4人を追い越してプレスを掛けに行き、プレッシャーを受けた相手が苦し紛れに出したパスを2列目の網に引っ掛ける、というものである。この試合でも何度か観ることが出来たが、引き金となっているのはやはり細貝の献身性だ。

 かつてオシムが「水を運ぶ人」という表現を使ったが、まさに細貝はヘルタの中で水を運び続けている。今試合における細貝の走行距離11.4キロはチーム内3位だが、トップのファンデンベアク11.46キロ、2位のペカリク11.45キロと比べてほとんど差はない。ヘルタはもはや細貝なしでは回らないだろう。

 細貝のプレーの質を考えてみると、前節とさほど変わってはいないが、前回両誌ともに「4」だったのが、今回は「2」となっている。勝利に結びつけるために、一つひとつのプレーは存在する。敗戦に繋がってしまえば、同じパフォーマンスでも低く評価されてしまう。裏を返せば、3-0という結果に結びついた上での「2」ということである。

 今節の結果を受けて、あくまで現時点ではあるが、今季より1部に昇格したばかりのチームは7位に浮上した。細貝を軸とするチームの一体感と、得点王を争うラモスの進撃は、まだまだ続くだろう。

 今節の細貝へのKicker、Bild両誌による「2」は、かつてのアウクスブルクでの戦線に続く、監督ルフカイとの幸福な時代を象徴する「2」と言えそうだ。

【了】

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