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ブンデス日本人選手、第20節現地採点を振り返る。得点王ラモスを支える献身性、細貝に納得の高評価

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

変わらぬ献身性、PKも奪取した細貝

 後半戦開幕後2連敗を喫していた細貝所属のヘルタ・ベルリンは、第20節をHSVとのアウェイに臨んだ。前節終了時でヘルタは8位、HSVは17位である。ヘルタからすればHSVは言わずもがなの格下、これ以上の取りこぼしはなんとしてでも避けたいところだ。

 細貝は4-1-4-1の中で、前節と変わらずディフェンスラインの前に陣取るワンボランチとして出場する。

 試合は13分、HSVのCBジュルーの中途半端なパスをカットし、鋭い飛び出しから前線を貫いた細貝がウェスターマンに倒されてPKを奪う。早くもヘルタがビッグ・チャンスを迎えた。しかし現在ドイツ国内で株が急上昇中のCFアドリアン・ラモスが、このPKを外してしまう。

 それでも勢いづいたヘルタは、15分、右CKからラモスがヘッドで落としたところにアラギが合わせて先制する。23分には、ラモスが全身を宙に舞って直接FKを頭で合わせてボールをゴールに押し込んだ。

 38分には、左のワイドを目一杯使ってファンデンベアクとのワンツーから、ラモスが押し込んで前半でスコアを3-0とする。完全に褐色のコロンビア人アタッカーの独壇場である。

 このハンブルクでのアウェイの細貝に対して、Kicker、Bild双方とも「2」と高評価とするのは、合点がいくところだ。PK奪取の場面は言うまでもなく、現時点でブンデスリーガ得点王に位置するラモスの活躍は、その裏に細貝の献身性があってのことと言っても差し支えないだろう。

 コースを読んでのパスカット、セカンドボールへの対処など、危機察知においていかんなく力を発揮する。前節に続いて、ワンボランチと言うチームの軸となるポジションにおいて、後ろと前との繋ぎの面でも十二分に役目を果たした。

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