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スペイン在住記者が解説、ディエゴ・フォルランという男。陽気で語学堪能、日本語にも挑戦か

text by 山本美智子 photo by Getty Images

スペインで巻き起こした旋風

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ビジャレアルではペレグリーニに師事【写真:Getty Images】

 当時のビジャレアルは1部でUEFA杯(現在のヨーロッパリーグ)を目指そうとしている新興勢力であり、2004年からチリ人監督のマヌエル・ペレグリーニ(現在のマンチェスター・シティ監督)がチームを率いるタイミングで、フアン・ロマン・リケルメなどと共に呼ばれた。

 当時、中南米からの監督にしろ、選手にしろ、リーガエスパニョーラ(スペインリーグ)での成功例は非常に少なかった。そのため、周囲はそれほどの期待をしていなかったし、マンチェスター・ユナイテッドから格下のビジャレアルにわざわざ来たフォルランは、“その程度”の選手なのではないかと疑問視されていた。

 だが、ピッチ上であっという間に結果を出し、初めてのリーガエスパニョーラでフォルランは得点王(25点)となり、更に欧州ゴールデンブーツも獲得する活躍を見せる。その後は、アトレティコ・マドリーに移籍。

 最終的にリーガには8シーズン在籍することになるのだが、アトレティコでも再び得点王(35点)となり、また欧州ゴールデンブーツを再度受賞する快挙を遂げた。

 その後、2010年の南アフリカワールドカップでも得点王とMVPを獲得しているのは周知のとおりだが、ウルグアイのモンテビデオラジオのゴンサロ・ランチ記者は、「おかげで、子ども達はメッシやビジャなど、それまでアルゼンチンやスペインの10番のユニフォームを着ていたのに、ウルグアイの10番のユニフォームを着るようになったんだよ」とそのフォルラン効果を伝えている。

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