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長いトンネルから抜けたリバプール。名門復活の立役者ロジャーズ監督の手腕とは?

text by 山中忍 photo by Getty Images , Kazhito Yamada / Kaz Photography

選手層に不安あるが期待は持てる

 続くフルアム戦(3-2)にも勝利したリバプールは、首位に4ポイント差で4位をキープ。ファンの中には、24年ぶりのリーグ優勝を夢見ている者も多い。だが、開幕前には「優勝も狙える」と言っていたはずの指揮官は、ここに来て優勝候補説を否定している。

 不必要なプレッシャーを避ける意識というよりも、トップ4復帰に注力する意気込みと受け取れる発言だ。トップ3を追走してはいるが、補強なしに終わった今冬の移籍市場でチェルシーとのモハメド・サラ獲得競争に敗れたように、リバプールの予算規模はシティはもちろん、アーセナルにも劣る。

 結果としての選手層は、背後に迫るトッテナムよりも薄い。ダニエル・アッガーとママドゥ・サコの正CBコンビを欠けば、最下位のフルアムにも2点を奪われたように。残る2ヵ月半もトップ4の一員であり続けるべく、ロジャーズは腕の見せ所。幸い、期待は持てる。

「就任以来最高」の勝利は、純粋な指導者から、したたかな指揮官へと成長している事実を物語るのだから。

【了】

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