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連載コラム 10年前

W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール。謎の企業“トラフィック”はサッカーの敵か、味方か(その2)

シリーズ:W杯前に知っておくべきブラジルフッチボール text by 田崎健太 photo by Kenta Tazaki , Kenzaburo Matsuoka

“DB18”と名付けた18のチェック項目

 選手の獲得、育成は、コーディネーターのルーカス・ゴエスが担当している。

 ゴエスはパラナ州で生まれ、大学で運動生理学などを学んだ。『パラナ・クルービ』『ロンドリーナ』などのフットサルチームでのプレー経験がある。パラナ・クルービの下部組織で教えた後、DBに加わった。

 選手のセレクション方法をゴエスに訊ねると、パソコンを開きパワーポイントの画面を見せた。

「“DB18”と名付けた18のチェック項目がある。身体的能力など10段階で審査する。ポジションごとに重要視する項目も決めてある。これらの数字を平均して〈7.5〉以上ならば合格。

 DBに入った後、このデータベースには身長、体重を初めとした様々な数字が加わる。10代の子どもたちは成長過程だ。こうした数字を参考にしながらこの選手にはどれほど伸びしろがあるのか、判断していく」

 ゴエスはトラフィックの派遣で、ポルトガルのスポルティング・リスボン、ポルト、オランダのアヤックス、イングランドのマンチェスター・ユナイテッドで研修し、DB18を作り上げたという。

「DB18は適宜改定している。なぜならば世界のサッカーの潮流は変化するからね」

 DBではポジションが被ることを問題としない。フォワード、攻撃的ミッドフィールダー、前の選手を手厚く集めることが他のクラブと違っている。

【次週に続く】

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