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日本代表“ベスト8”への道。対コートジボワール戦を読み解く

ブラジルW杯で対戦するコートジボワールの強みは豊富な攻撃のタレントを活かす攻撃力だ。日本代表にとって危険なアタッカーは誰なのか? 著書『日本代表ベスト8 ブラジルW杯・対戦国シミュレーション分析(サッカー小僧新書EX006)』(ガイドワークス)でブラジルW杯の対戦国を詳細に分析し、ザックジャパンの戦い方を展望した河治良幸氏が解説する。

text by 河治良幸 photo by Getty Images

ヤヤ・トゥレの直接FKは破壊的

日本代表“ベスト8”への道。対コートジボワール戦を読み解く
ヤヤ・トゥレ【写真:Getty Images】

 アフリカ予選の8試合でコートジボワールは19得点をあげた。PKが4得点で直接FKが2得点、オウンゴールが1得点だったが、流れの中から決めた12得点のうち11得点はペナルティエリア内で生まれたゴールだ。

 最も多くのゴールを決めたのはカルーで5得点。特にセネガル戦の第2レグに決めた同点ゴールはコートジボワールの予選突破を決定付けるもので、彼の存在感を一躍高めた。特徴的なのはすべて相手の裏に抜け出す形から得点していることだ。

 ドログバ、ジェルビーニョ、ヤヤ・トゥレとボールキープ力に優れる選手が揃っており、自分がボールを持って仕掛けるより、周りと連動することでディフェンスラインを破る。

 クラブではフィニッシュのところで勝負弱いイメージもあるカルーだが、先述したボニーをはじめ、ヤ・コナンやドゥンビアといったタレントにもスタメンのポジションを譲らず、本大会でも主力を担いそうな状況だ。

 カルーに次ぐ4得点を記録したのはヤヤ・トゥレだが、流れからはホームのガンビア戦の後半にあげた1得点。右サイドバックのアングアが起点となり、横パスを受けたティオテが右足で大きく弧を描くクロスを上げると、相手の右サイドバックとセンターバックの合間にヤヤ・トゥレが割り込み、驚異的なジャンプヘッドでGKの反応を破った。

 残る3得点は2本の直接FKとPKだった。FKは両方ともやや左から壁の肩越しを破り、ゴール左のサイドネットに突き刺さった形だ。4年前は主にドログバが担当していた直接FKだが、現在はヤヤ・トゥレの独壇場となっている。

 どっしりとした構えから、深い踏み込みで放つ弾道は速く、鋭く左に曲がる。ゴールポストの内側ギリギリにボールが飛んだら、GKは手も足も出ない。対戦相手にとって、コートジボワールから見てペナルティアークのやや左でFKを与えてしまったら、かなり危険と考えるべきだろう。

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