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超歓迎ムードの中“90分間”孤立したドログバ。レジェンド対決はモウリーニョに軍配

text by 山中忍 photo by Canki Ueda , Kazhito Yamada / Kaz Photography

守備が緩かったガラタサライ

 しかし、いざ試合開始を告げる笛が鳴ると、歓迎ムードはCLベスト8進出を懸けた決戦場の外へ。試合は、「モウリーニョ率いる」チェルシーが「ドログバのいる」ガラタサライに危なげなく勝利した(2-0)。

 第1レグ(1-1)でも、CBのジョン・テリーを中心とするチェルシーDF陣に抑えられていたCFは、枠外のシュート2本とイエローカード1枚という結果に終わった。ドログバは、2004年から3年半強のモウリーニョ第1期チェルシーで、「容赦なく勝利を追求する姿勢」を学んだと試合前に言っていたが、恩師はその教えを自ら実践してみせた。

 勝利への決意は、前半1分足らずで、相手MFフェリペ・メロのタックルを物ともせず、五分五分の競り合いに挑んだオスカルのプレーに体現されていた。そして、ボールを奪えば、ガラタサライの弱点である守備の甘さを徹底的につく。

 わずか4分で生まれたチェルシーの先制点は、サムエル・エトオのフィニッシュも見事だが、アシストをこなしたオスカルは、単純な動き直しからフリーの状態でスルーパスを送っている。

 42分、CKの流れからガリー・ケイヒルがリバウンドを蹴り込んだ追加点は、フリーランからのヘディングで相手GKにセーブを強いたテリーのゴールも同然だ。セットプレー時には警戒されて然るべきテリーは、その10分ほど前のFKにもノーマークでヘディングを打つことができた。

 両レグ合計3-1で迎えた後半は、さすがにリードを守る意識が強まった。フランク・ランパードとラミレスの両センターハーフは揃って中盤深くに座るようになり、ドリブルでガラタサライ守備陣を翻弄していたエデン・アザールが、最終ラインに加勢してロングボールを頭で跳ね返す場面も見られた。

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