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Jリーグ 10年前

その“1センチ”で何かが変わる。試合をさらに熱くするためにサッカー観戦者に提案したいこと

text by 海老沢純一 photo by Kenzaburo Matsuoka

サッカースタジアムの主役は選手とサポーター

 キックオフ時間が迫り、選手入場の準備を始めると、ゴール裏のサポーター席から応援歌「叫ばずにはいられない」が鳴り始めた。NACK5スタジアムは、全体が密接しているため、サポーター席からの歌もすぐそばで歌われているように感じ、その迫力は鳥肌ものだ。

 ただ、もっと更に選手を鼓舞するためには、メインスタンドのサポーターもバックスタンドのサポーターも、タオルマフラーを掲げて歌って欲しいと感じた。そうなれば、スタジアムの一体感は最高潮になるはずだ。

 キックオフの笛が鳴ると、ファーストプレーで早々に渡邉大剛が先制ゴール! あまりに早い得点にスタンドのファンもみんな驚いていた。

 対するベガルタ仙台のサポーターも負けてはいない。数多く詰めかけたアウェーサポーター席からも熱い声援が飛び、スタンドの真ん中に位置する記者席では、左右の耳元で異なる応援が繰り広げられているかのようだった。

 ピッチに目を移せば、やはり近い!! 選手がぶつかり合う音や飛び散る汗、ボールを蹴る音まで感じることが出来る。これは陸上競技場には無い魅力だ。

 前半ロスタイムに今井智基が1点を追加し、後半12分にはPKを獲得。キッカーは家長昭博だ。家長は、このPKをきっちり決めると、その3分後には追加点も決めた。

 試合は4-0でアルディージャの快勝。来場者1万人を超えたスタンドでは、大人も子供も笑顔だ。サッカースタジアムの主役は選手だけではない。サポーターの存在も大きなものだ。お隣の浦和では、Jリーグ史上初の無観客試合が行われただけに、今回はより痛感させられた気がした。

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