軽率だったダビド・ルイス
ところが、 肝心の守備陣が3分足らずで期待を裏切った。ボランチで先発したダビド・ルイスは、自陣内でボールを奪われてカウンターを許した。「緩慢」の一言だった。そして、クロスに対するジョン・テリーの中途半端なクリア。テリーらしからぬ距離の出ないヘディングは、ボックス内のラベッシの胸元に届き、トラップからボレーを蹴り込まれた。
二度目は、59分のトーレス投入直後。シュールレのCF起用と1時間弱でのトーレスとの交代は、昨年8月のマンチェスター・ユナイテッド戦(0-0)と同じ。疲れの見える急増CFと代わった本職のCFには、マイボール時にためを作って周囲に息つく暇を与えるなど、後半を無難に終える上での貢献が求められた。
マンチェスター・ユナイテッド戦にしても、1トップ交代で攻撃が活性化されたわけではないが、序盤戦での強豪対決では悪くないスコアレスドローがアウェイで実現された。
PSG戦も引き分けられるはずだった。チアゴ・シウバの不必要なファウルで得たPKをアザールが決め、前半で追いついていたのだ。アウェイでの初戦1-1はチェルシーに有利な引分けだ。しかし、61分にルイスがオウンゴール。
FKからのクロスが脛に当たったゴールは不運だが、そのFKを軽率なファウルで与えたのもルイスだった。それでも、1-2であれば痛い先敗ではない。ホームでの第2レグは1-0で準決勝進出となる。だが、後半ロスタイムに2点差とされてアウェイゴールの効力も弱まった。
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