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「あの負傷で右足を失いかけた」。アトレティコ不動の左SBフィリペ・ルイスが語る怪我からの復活とアトレティコのアイデンティティー

text by 江間慎一郎 photo by Kaz Photography , Getty Images

「リーガは退屈」「リーガは2チームだけのもの」

――シメオネは決勝などの大一番を前に、選手一人ひとりに特別なメッセージを伝えるそうですね。どういった内容か教えていただくことは可能ですか?

「監督は各選手の性格をしっかりと把握し、それぞれのモチベーションとなる言葉を伝えてくれる。それに加えて、僕たちが一体どのようなチームなのか、どういったプレーを見せるべきかなどをね。

 彼は自分たちがいかに重要な存在なのかを説き、僕たちはその言葉によって感情を高めていく。またロッカールームでは、選手たちのプレーや困難であった試合の映像が流され、苦しみながら到達した決勝までの道程を思い起こさせるんだ。僕たちの大舞台に立つ意欲を高めるためにね」

「あの負傷で右足を失いかけた」。アトレティコ不動の左SBフィリペ・ルイスが語る怪我からの復活とアトレティコのアイデンティティー
ルイス・フィリペ・スコラーリが代表メンバーの選出で間違いを犯すことはないはず【写真:Getty Images】

――あなたはシメオネと同様に「リーガは退屈」「リーガは2チームだけのもの」と、テレビ放映権料分配方法を理由とする二極化への不満を度々口にしています。選手側からそのような発言をすることには少し驚きを感じます。

「2強との間には格差が生まれているからね。イングランドやイタリアではスペインほどの差はなく、リーガでは権力を持つ2チームが力を増大させ、スモールチームはさらに小さくなっている。そのような意見を口にしたことを後悔してはいない。それは現実に起こっていることであり、もう少し平等に扱われる必要がある」

――では、母国ブラジルで開催される今年のW杯についてお聞きします。参加する意欲にあふれていると思いますが……。

「もちろん参加を望んでいる。ただコンフェデレーションズカップには参加したものの、シーズンを通して招集されているわけではない。でもW杯出場は僕の目標であり、常に頭の中にあることだ。自分だけに依存することではないが、ここで最大限のプレーを見せて目標の達成を目指すよ。

 ただ、ルイス・フィリペ・スコラーリが代表メンバーの選出で間違いを犯すことはないはずだ。マルセロやマックスウェルなど、僕以外にも素晴らしい左サイドバックがいるからね」

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