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最高の結果で再出発のマンU。ギグス新監督はなぜ香川を先発させ、モイーズ体制から何を変えたのか?

text by 海老沢純一 photo by Asuka Kudo / Football Channel

香川上回ったマタの出来。そして残り3戦に潜む危険要素

 特に、途中出場のマタがわずか14分で2得点を挙げただけに、心中穏やかではないはずだ(パフォーマンス・スコアは72。スカイスポーツの採点は8、ファン投票では8.2といずれも香川を上回った)。

 どんなにパス回しやプレッシングで貢献しても、前線の選手にとって得点は重要なものだ。今シーズン未だノーゴールの香川は、残り3戦で何としても得点を挙げることを誓っているだろう。

 そして、もう一人ノーゴールの選手がいる。ライアン・ギグスだ。今シーズン選手として11試合の出場に留まっており無得点なのだ。

 このノリッジ戦でスーツ姿だったことからも、暫定監督として監督業に専念する可能性が高い。そうなればプレミアリーグのシーズン連続得点記録は23でストップしてしまう。

 何よりギグスはこのまま現役を引退するのだろうか? そうであればピッチ上でファンに別れを告げる機会は無くなるのだろうか?

 さらに、残りわずか3試合ながらサンダーランド、ハル・シティ、サウサンプトンは決して侮れない相手だ。ノリッジ戦では前体制との違いを示すとこは出来たが、今後はそう簡単にはいかないだろう。

 ここで不甲斐ない戦いをして「ギグスでもダメか」と思われてしまえば、ギグス自身のキャリアにもクラブの計画にも悪影響を及ぼしてしまう可能性がある。

 確かに“ギグス監督”というのはファンの心をつかむものだろう。しかし、冷静に見ればかなりの危険要素も含んでいる。それだけに、デイビッド・モイーズを後任に指名したアレックス・ファーガソンの偉大な監督人生最後にして最大の失敗が悔やまれる。

【了】

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